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「卒業して三年」

2013年卒 田野伸午

  皆さんこんにちは。2013年度卒、地域政策学部に所属していました田野伸午と申します。現在はゼネコンの前田建設工業鰍ノ勤務しています。今回は同じ建設業の大先輩でもある関口史人先輩からバトンを受け継ぎました。

思い起こせば就職活動が始まったばかりの3年生の12月。合同説明会に向かう路線バスの車窓から、北陸新幹線開業を控え再開発が進む故郷、金沢の景色を眺めるうち自分も街の再開発に関わりたいという気持ちが湧き、建設業を志望するようになりました。

前田建設に入社してからは宮城・福島県沿岸の震災復旧工事を担当しており、
各作業所の経理・総務・労務などの事務作業に務めています。宮城県では石巻市の被災した病院の移転工事や仙台市の税関の復旧工事、福島県では楢葉町の除染工事など様々な工事現場の業務に関わらせていただきました。大学卒業まで、東北に行く機会はなかったのですが、部活やゼミで多くの東北出身の同級生、先輩からそれぞれの地元について話を聞いていたので、卒業して東北のいろんな町を巡るたびに彼らの顔が浮かんできます。

学生最後の春休み、東北支店配属の辞令を受けとった時は、「被災地の復興に貢献するんだ。」と同級生に公言したものでした。しかし、新入社員として任せられた仕事はお茶くみや仮設トイレの掃除などの雑務が中心。地味な作業になかなか意味を見つけられない時期もありましたが、現場で働く職人さん達から感謝の言葉を頂くうち、自分の仕事も間接的に被災地の復興に繋がっているという自負が少しずつ生まれてきました。三年目になった今では、新入社員の頃より専門的な仕事にも関われるようになり、任せられる仕事も変わってきましたが、まだまだ日々不器用に悪戦苦闘しながら仕事に取り組んでいます。

 呑み込みが遅く要領が悪い私は、人より成長は緩やかかもしれません。しかし、思い起こせば大学時代のほとんどを捧げた吹奏楽部でも、同じように部内一の下手くそから、最後に県大会の金賞を頂くまでになりました。高経で過ごした4年間を胸に、将来は全国の様々な地方都市の再開発事業に携われることを夢見て、この東北で日々勉強させて頂いています。