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番外4

 「茶話日記」
                                          平成22年6月10日
                                            1964卒 野口 広鎮

ある春の日の夕暮れ時。

「あれどうしましょう?」

前の会話となんの脈絡もなく、食卓で向かい合わせに座る家内が言った。

「――そうだね、あれか……」

茶を啜り、ぼんやり窓越しに庭を見つめながら答える。

「早くしないとまずいでしよう。そうしましょうよ?」

「うん、早くね……」

「そうですよ、困ってしまいますよ」

畳み掛けるように、私の湯のみ茶碗に、なみなみと注がれるお茶。

困ってしまう≠「ったい何のことだろう……。

「あなたたら、いつもグズグズして、ハッキリしないんだから」

「――ところで、あれって何だっけ?」

「あなた、何聞いていたの?」

家内の横に座る娘が、頭を左右に振って、

「お母さん、私にも分からないよ!」

「二人して、どこに耳をつけているのかしら?」

「だって、いつも主語がないんだもの、お母さんの話は」

娘の言葉に、至極滑らかな口調で返す。

「主語……あぁ、それ言わなかったかしら。早く言ってくれればいいのに、ハッキリしない父娘(おやこ)ね」

犯人が途中で分かってしまう推理小説よりも、ずっと面白い我が家の会話。

家内の膝の上に座る年老いた猫が、背伸びをしてから、大きな欠伸をした。
   (了)
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番外3

 朝日新聞関西版平成15年5月1日掲載
 「株安が物語る首相の2年間」
                                          平成15年5月1日
                                              43卒 k生

 拝啓 小泉首相殿
 あなたが「聖域なき構造改革」をうたい首相に就任して2年が過ぎました。「改革工程表」
の進捗度はいかがでしょうか。難問山積で、ご心痛お察ししますが、国民生活はがけっぷち
です。
 元証券マンとして申し上げますと、総理大臣の実績を評価する物差しの一つに株価があり
ます。小泉首相は株価に一喜一憂しないとのお考えのせいか、大幅に下がったこの2年間で
した。
 我が国の株式市場は10年以上も下落基調ですが、もうストップをかけないとおけません。
「株価対策」という一時しのぎの対症療法ではなく、遅々として進まない構造改革を断行しな
ければなりません。官僚組織をスリムにし、規制緩和を大胆に進め、高コスト体質のシステム
を破壊することです。それこそが市場で高い評価を受けると思います。株価の上昇は将来不
安の解消につながり、貯蓄は消費に回ります。
 改革に「官民格差」があってはなりません。もう「民」の犠牲はいいでしょう。一刻も早い「聖
域」の改革を求めます。


番外2

 出処進退
                                          平成14年3月28日
                                              43卒 k生

 昨今、政治家の出処進退でマスコミを賑わしておりますが、いつから日本人は地位、権力
に恋々とするようになったのでしょうか?今、日本列島を桜前線が猛スピードで北上中です
が東京地区はあっという間に散り今さらながら儚さを感じさせるものでした。20日上野の桜ま
さに満開の通り抜けをしましたが豪華絢爛至福の極みでした日本の桜、日本人でよかった
と思いを新たにしました。先人達もこの桜に接し自分の人生または死生観に大きな影響を
与えたことは間違いないことだと思います。

 現在私の同期の高校、大学の友人でサラリーマン人生を送ってる友は終幕を迎える時で
すが矢張りめでたく役員になった一部の例外を除き転籍、役職定年、早期退職したものな
ど様々ですが会社に残っておられるものは今の処遇に不満を持っておられるようですが時
世が許さないのだから仕方ない来年も桜は咲くだろう自分も自分の満足できるものを咲か
せたいと言ってる友がいました。会社が全てではない人生これからと嬉しそうに語っていま
した。

 今の話題の人たち厚顔無恥というか周りが見えないのか情けないです。身を棄ててこそ
浮かぶ瀬もあれ、人生計算してもその通りならないのに人のそしりを受けながらひたすら堪
える姿は我々平成の勤め人とは全然異質ですね恐らく永田町の住人になると別人の感覚な
んですね、人生最後までその座を死守せんとする執念すごいです。生き恥をさらすと言う言
葉は彼らにとって死語です。細川ガラシャの辞世の句で 散りぬべき時しりてこそ世の中の
花も花なれ人も人なれ と三成に急襲されたとき自害しましたがこの満開の桜の木の下で考
えさせられました。平成の指導者といわれる人たちは自分に厳しくしなければこの難局は乗
り越えられないのに何を考えてるのでしょう?



番外1

 この頃思うこと 

                                                 平成14年2月2日                                                   1968年卒 K

 68年卒Kです。不惑も過ぎ信長の齢(よわい)も超えアフガン人の平均余命を20年
も凌駕しこの自堕落なまた欲望のおもむくままの半生を振り返り考えました。サラリー
マン人生も勝負がつき時間(サービス居残りをやめ)があまり、ストレスもなく、遊びも
多忙のなかにチョンノマがいいのであって面白くない。刺激がないそれで自分の嗜好
するものを我慢すればどうなるかやってみようと考えました。

 嗜好は18歳?から55万本を吸い続けたタバコ、19歳の高経時代のコンパで覚え
た安酒、20歳で経験したHとこの3つがないと生きてる価値がないと思っていました。
しかし一念発起しました矢張り一番長く嗜好してたタバコをやめることにしました。
(Hでなくてよかった?)

 昨年3月からはじめました禁煙は最初の1週間です。コツは大量の水分(ウーロン、
緑茶など)を取るそして早く就寝日中は何かに集中、仕事サボり芥川賞を目指し創作
の想を練るのがいいです。(会社クビになっても責任とりません)1週間過ぎると何とか
やせ我慢でいけます。

 ただし太りますよ自分も10ヶ月で7KG増えました。現在76KGです。ニコチンは血管
収縮の因子があり禁煙すると血管が太くなり栄養摂取が多くなり肥満になるそうです。
それをさけるためスポ専でストレッチ、ルームランナー、バイスクル1週1回必要です。    

 でもスポ専は余りデブは来てませんよ。若い女性が比較的多いですから励みになり
ます。区とか市の公的施設利用すすめます。しかし禁煙挫折しても自分は意志薄弱な
どと落ち込む必要ありません。なぜなら肥満のほうが余命リスクたかいですから禁煙し
てアフターケアがないとデブになり女性にも相手にされませんから禁煙は失うものがあ
るという認識でおはじめください。じゃこのへんで      カタちゃん