「ITに触れて
                
                         2016年 坂部 卓哉
 
165番目のランナーとなりました、坂部 卓哉です。 
今春に学部を卒業し、都内のITベンダーに務め始めました。 
 
私がIT業界に興味を持った理由は、人工知能技術に可能性を感じたからです。 
 
人工知能と聞いて、皆様はどんなイメージを持つでしょうか。 
『何でも出来る万能の機械』『やがて人間を脅かすもの』『創作SFの世界にしか存在しないもの』などが多いかもしれません。 
私自身も、詳しく調べるまでは上記のようなイメージを持っていました。 
しかし今は、そのどれもが間違いであると断言できます。 
現在の人工知能(厳密にはその種類も多岐に渡りますが、便宜上一括りにします)を一言で表すならば、人間の子どもです。 
 
私が就職した企業も人工知能技術を活用したサービスを展開しています。 
そこに興味を持って入社を決めたということもあって、新入社員でもチャレンジできるイベントを活用し、実際に人工知能技術を用いたアプリケーションを作成しました。 
実際に触れて分かったのは、人工知能はとても手が掛かるということです。 
 
人工知能と従来のコンピューター・システムとの差異は、自然言語(我々が日常的に使う言葉)を理解し、その意図を学習できる点にあります。 
学習。これがキーワードです。 
意外に思われるかもしれませんが、人工知能を活用するためには、まず『教える』という作業が必要なのです。最初から何でも出来るわけではありません。 
しかし、良質な教育さえできれば、今までになかった未来に辿り着けます。そういった面から、人間の子どもであると表現しました。 
 
最後に、活用事例をひとつだけご紹介します。 
先日、人間では読み切れない量の医学論文を読み込んだ人工知能が、医師も気付けなかった病気と療法を指摘して患者の命を救ったという事例が国内で出ました。 
この事例は、人工知能の良さを端的に表していると私は考えています。 
人間では辿り着けなかった見地に至り、人間を助けたということです。 
 
人工知能に欲はないので、人間を支配しようとするなんてことはありません。 
不気味に思って敬遠するのではなく、きちんと知って、活用する。それがこれからの人生を豊かにするひとつのコツだと、私は考えています。